誰もが一度はあこがれるかっこいいサインの作り方を無料で紹介します。
まずは1『かっこいいサインの作り方の流れ』から始まり、続いて2『私のサインを例にどうしてこれがかっこよく見えるのか分析』し、そしてこの記事のメインである3『かっこいいサインの具体的な作り方や書き方を紹介する』という流れです。
何度かトライしてみて、やっぱり自分で作るのが難しいという方はぜひご署名ネットにお任せください。
ローマ字、漢字、ひらがな、ビジネス向け、色紙向け、作品向けなど何でも作成いたします。
この記事の目次一覧
1. かっこいいサインの作り方の流れ
かっこいいサインの基本になるのは文字の崩しです。
ここではサンプルで名前を挙げ、サイン作りの基礎を紹介します。
【1】書く名前を決める
最初のステップでは、どういう文字を書くか決めましょう。
日本人の名前を英語サインにする場合、イニシャルと名前を組み合わせることがほとんどです。
例)Ueda Jiro → J. Ueda
例)Yamada Taro → T. Yamada
もしくはこの逆もありです。
例)Ueda Jiro → U. Jiro
例)Yamada Taro → Y. Taro
絵画、水彩画、本、写真などの作品に自分のサインを載せたい人は、わかりやすく短い文字を選ぶこともあります。
例)Ueda Jiro → Jiro
例)Yamada Taro → Taro
どういう用途でサインを使うか、最初に頭の中でイメージしておくといいですね。
よくわからない人はフルネームで作っておけば間違いはありません。フルネームサインをして断られるシーンはまずないでしょう。

2020年、姓→名(例:Yamada Taro)が正式表記法と閣議決定されました。もちろん従来の名→姓(例:Taro Yamada)でも問題なく使用できます(→詳細)
【2】崩しを考える
書く文字が決まったら次は崩しを考えます。どの文字をどう崩したら正解という答えはありませんので、まずは適当に1文字2文字を崩してみましょう。
例えば1番崩しやすいのはm, n, iのように波形で書くアルファベットが連続する場合です。
ここでは仮に “minami”という文字を崩してみることにしましょう。minamiを筆記体で書いた場合と、多少おおげさに崩した場合を比較してみます。

どうでしょう、下側の崩した文字は簡略化されていることがわかりますね。
この文字だけを読んでも minami とは解読できないでしょう。でもこれでいいんです。崩しとはそういうものです。
名前を崩す目的は2つです。
- 書きやすくするため
- かっこよくスタイリッシュにするため
書きやすさ、かっこよさよりも可読性を優先するのであれば、崩しはほどほどにしておきます。
Minamiの最初のMを大文字で書きたいのであれば、次のように仕上げることもできますね。

先頭の文字が大きくなるだけで、サインから受け取る印象が大きく変わります。
崩しの考え方は初心者にとってハードルが高いパートですが、この記事の最後では様々な用途に合わせたサイン作りのコツも紹介しているので、そちらもぜひ御覧ください。
このままでも十分に満足いく形かもしれませんが、差別化を図るためにもう少しアレンジを加えてみましょう。
【3】スタイリッシュに仕上げる
崩しが決まれば、あとは見た目を意識します。
パッと見た時に印象に残るサインには目をひく特徴的な部分があります。
さきほど紹介した「みなみ(Minami)」さんをもう一度例に出しましょう。
最初のMの形を変えたり崩しを変形させることでサインの印象は全く違うものに仕上がります。


遊び心を加えてその人の特徴を表すような文字やマークを入れてみても面白いですね。

↑は「みなみ」さんが音楽好きだったら・・・?というのを仮定して仕上げたサイン。
最後に音符を書いて特徴を表現しています。この仕上げのところはまさに腕の見せどころですね。
2. 自分のサインを分析する
かっこいいサインの具体例として私が15年以上も昔に作った自分のサイン(今でも使っています)を例にし、どうしてこれがかっこよく見えるのか分析していきたいと思います。
まずは文字の構造の紹介です。

一見すると単なる殴り書きにしか見えませんが、実は Y. Moriya という字を大きく崩して書いているのです。
1つずつ詳しく分析してみましょう。
【1】Yで全体のバランスを取る

まずオレンジ色の部分。ここは Yusuke の Y を大きく崩しています。
Yの書き始めは右上から左下に向かって大きく斜め線を引き、サイン全体の大きさを決めます。
はじめにサイズ感を把握しておくことで、限られた署名欄にバランス良く収めることができるため、初心者の方は斜めの線や横線をダイナミックに引くデザインを採用すると書きやすいですね。
【2】大胆に崩しを取り入れる

次に緑色の波型の部分。実はこの短い文字だけで Moriya の M, o, r, i の4つの筆記体を表現しています。
このように大胆に文字を省略し、書きやすさとデザイン性を織りまぜることを「崩し」と呼んでいます。
あきらかにアルファベットの数と線の長さが合わないように見えますが問題ありません。これが崩しというものです。
姓・名の先頭の文字だけ大文字にしたり大きく書いて判読性を高めることもあれば、あえて全て小文字で構成して書きやすさと見た目の印象を重視する崩し方もあり、サインの用途にあわせてテクニックを組み合わせます。
【3】全体のバランスを整える

赤はMoriya の y, 青は最後の a を表しています。青線の長さはサインを書くたび毎回かわってしまいますが、それも仕方ありません。勢いよく書き終えるのがコツです。
バランスを整える時は、四角形や三角形の枠の内側にサインがおさまるイメージを持つといいですね。詳しくは後述しています。
【4】アルファベットの特徴を忘れずに入れる
そして忘れてはいけない最後のこの点。

これはMoriyaのiの点を表現しています。この点を書くことでサインのどこかにiが使われていると主張できます。
いかがでしょう、サインがきちんと名前を意味していることがお分かりいただけたでしょうか。

なぜかっこよく見えるか分析
このサインがかっこいいと感じる理由を分析します。
- 文字が崩れて読めない
- スピード感がある
- 右上がり・左上がりの構図
- 斜めに横断する直線
- 枠に収まるバランス
崩れた文字とスピード感はわかりやすい特徴です。筆記体が崩れているようにも見え、シャープな印象がかっこよさにつながっているといえるでしょう。
また、全体的にやや右上がりの構図になっているのもポイントです。サインに奥行きを感じさせ、ダイナミックな印象につながっています。
特徴的な斜めに走る直線も目をひく存在です。この1本の線がサイン全体の大きさを決める役割を果たすだけでなく、書くリズムも生み出します。
そしてこのサイン、よく見ると四角の枠にピッタリ収めることができます。

こうしたバランスの良さが見る人に安心感と安定感を与え、文字の崩れやスピード感によって生み出されるかっこよさをさらに底上げする効果があるのです。
つまり、ここで紹介した5つのポイントをサインに効果的に織り込むことによって、あなたのかっこいいサイン作りの大きな手助けとなるのです。
様々な崩しを取り入れてデザインを考えるのがサイン作りの醍醐味です。
豊富な経験と知識を要求されるパートですので、ご署名ネットにお任せいただければデザイン性と実用性を兼ね備えたサインをお作りいたします。
それでは次に、これらのポイントを深く掘り下げて解説していきます。
3. かっこいいサインの具体的な作り方
それでは具体的な作り方・書き方を掘り下げていきます。
文字が崩れて読めないサインはかっこいい
パッと見て判読性のないサインは非常にクールです。
サインはもともと読める必要はありませんので、思いっきり崩して大胆な文字にするのがコツなのです。
文字同士のつながりを考えるとパターンは無数に存在するためここでその全てをお伝えすることはできませんが、いくつか参考にしてみてください。
同じ傾きにそろえて崩す

崩す時は傾きを統一すると見た目がよくなります。例えば上の例でいくと後半の “Nakata” を右斜め45度の角度でそろって崩しています。
N, K, Tの縦線に注目し、間の a はほとんど書かないぐらい大胆に崩したものです。
先頭のKは斜めにせず垂直に線を置いています。
特徴だけ残して残りを崩す

一部の文字だけを強調し、残りを全て崩してしまう方法です。
上の例では先頭のTとhを強調し、残りの文字は判読性を低くした崩し方を採用しました。
崩しに慣れない人は子音を強調しましょう。
Tならば縦線を長くする、もしくは横線を伸ばす。hなら上側の線に丸みを持たせるなど、文字の特徴に合わせた崩しやすいテクニックもあります。
アルファベット別の崩し方はこちらで細かく紹介していますので、参考にしてみてください。
ひらがなでも崩してかっこよくできる

やわらかい線で構成されるひらがなでさえ、崩しを強く入れることでかっこいいサインに仕上げることができます。
上の例はドラえもんがもしスタイリッシュにサインを作ったら?という視点で私が勝手に作ったサインです。
一見するとまずドラえもんとは読めませんが、実はこんな構成になっています。

このようにひらがなですら崩しを駆使することでここまでスタイリッシュにかっこいい仕上げが可能です。
いかに崩しの力がすごいかお分かりいただけたでしょうか。
アルファベットの母音は積極的に省略する
英語サインの場合、母音(a, i, u, e, o)をできる限り省略して表現すると、大胆な線でつながったかっこいいサインに仕上がりやすくなります。


上のサイン例は “Satoshi Ono(仮名)”のサインです。
文字の構成を色付けした画像を見ると、母音はほとんど表記しておらず、子音(S, t, h)でまとめられていることがわかります(さらに付け加えると、後述する『同じ形を繰り返す』というテクニックも取り入れたデザインです)。
多くの人は母音1字1字を全てサインに取り入れようとするため、デザインが複雑でバランスが取りづらくなる傾向があります。
サインは基本的に可読性が求められるものではないため、文字を削って表現するテクニックをぜひ取り入れてみましょう。
サインは読める必要はありません
崩しすぎるとサインが読めないのでは?と心配するかもしれませんが、サインは必ずしも読める必要はないので安心してください。
可読性を重要視されるのはいわゆる『署名』で、本質的にサインとは異なるものです。
サインは本人が自筆することで意思を表すものですので、書いた文字の正確性や可読性は必要ないのです。(詳しくはこちら)
文字のサイズや形にメリハリを出すとかっこいい
サインを作るとき、文字のサイズや形をわざと不揃いにしてメリハリをつけてみましょう。
異なるリズムをデザインに取り入れるとそれが特徴になり、見た目にもかっこいい印象に仕上がりやすくなります。
先頭の文字を大きく書く

一番取り入れやすいテクニックがこれ。名前の先頭の文字を大きく書きましょう。
特に英語のサインを作るときには効果的で、先頭の1字を大きく、残りの字を控えめに書いてメリハリを出すだけでかっこよく決まることがあります。

英語サインをつくるとき、先頭の文字は必ずしも大文字から始める必要はありませんよ。(◯:Taro、◯:taro)
文字の高さを不揃いにする

サインに用いる文字を縦方向に伸ばし、高さを不揃いにしてリズムを生み出します。
1字置きに伸ばしたり先頭と末尾を伸ばしたり、色々と変化をつけてみましょう。
高さがバラバラのサインは書きづらさを感じたり、書く時間がかかってしまうかもしれません。
何度か練習し、手に馴染むように高さを調整してみることをおすすめします。
好きな文字を強調する

ご自身のお名前で特に気に入った文字があれば、それを大きく強調してみましょう。
その字をサインの中心におき、残りの文字で周りを飾るようなイメージでサインを作ってみるといいかもしれません。
見る人に強烈なインパクトを残すのは間違いなく、「この文字を強調しているのは何か意味があるのですか?」の言葉をきっかけに会話が生まれるかもしれません。
筆記体を参考にする

かっこいい英字の代表例は筆記体です。
筆記体のフォントを参考に英字サインを作ってみるといいですね。
全ての字を筆記体にするとありふれた字体になってしまうため、先頭の字だけ筆記体にするなど数を絞るといいでしょう。
カリグラフィーを参考にする

英字の書道といわれるカリグラフィーの文字をサインに取り入れるのもおすすめです。
見た目の美しさを追求するカリグラフィーは英字サインにぴったりで、私もサイン作りで参考にすることがあります。
これも筆記体と同じように、取り入れる文字は1つか2つに絞り、残りは字を崩してつなげるといいですね。
上の画像のサインはアメリカの日刊紙 “New York Times” のYの形を参考にしました。

カリグラフィーのフォントを採用するときに注意したいのは、形をそっくり似せようとしすぎないことです。ある程度は妥協してもいいのです。
再現性のあるサインが理想的ではありますが、ミリ単位で文字の正確性を求められるものではありません。
カリグラフィーは文字の形の美しさ、緻密さ、同一性を求めるので、サインとは性質が異なるんですね。
サイン作りではあくまでも参考に取り入れる程度にとどめ、文字同士のつながりや書きやすさを重視するといいでしょう。
スピード感があるサインはかっこいい
かっこいいサインに見た目のスピード感は必須です。
素早くペンを動かすことで文字の線が生き生きとするだけでなく、シャープで鋭い印象を生み出すことができます。
さらにペンの種類によっては独特な『かすれ』を表現することもでき、サインの印象をさらにかっこよくすることもできるのです。
横線を鋭く表現する

名前にTやF、E、Kなど横線を長く伸ばせる文字がある場合、その線を鋭く表現することによってかっこよさを出すことができます。
上の例ではTとKの2本の線をシャープに書いています。
さらにこれらの線を素早く書くことでサインを書くリズムを生み出すだけでなく、サインの最後に横線を書いて締めればいかにも『サインしました』という内面的な満足感も得られます。
かすれを意識する

線にかすれが生まれるとサインらしさがグッと増します。
かすれを出すにはペンを動かすスピードはもちろんのこと、万年筆・筆ペンが必要です。
私個人としては万年筆は手入れが大変で実用性に欠けると感じるため使っていませんが、ペンにこだわりのある方にはおすすめです。
文字のかすれはいかにもサインに慣れた人の印象を与えるだけでなく、見た目の美しさを引き立てる効果があります。
ペンを抑える力の強弱で意図的にかすれを作ることができますが、熟達した人でも毎回おなじかすれを出すのは難しいです。
強めの崩しでスピード感を出す

文字を崩して線を簡略化し、それらをつなぎ合わせることでスピード感のある見た目に仕上げることができます。
崩しが強いと判読性が低下するため好みが分かれますが、かっこよさが表現されることは間違いありません。
柔らかい線にも関わらずスピード感を演出するにはペンを動かすスピードが特に求められます。
構図がしっかり頭に入り、頭で考えるより手が勝手に動くレベルまで繰り返し練習することが求められます。
鋭い線のみで構成する

名前の全てを鋭い線だけで構成するとインパクトのある見た目に仕上がります。
横線・縦線が多い名前のサインを作る時には応用しやすいテクニックといえるでしょう。
ペン先をピッと弾くような書き方をすると短く鋭い線が表現できます。
手首を使うともう少し長い線でも力強くなるでしょう。
右上がり/斜めの構図のサインはかっこいい
サインは水平に書くだけではちょっと物足りないかもしれません。
やや角度をつけるとそれだけてデザインが見違えてかっこよくなります。角度をつけるとは、
1. 『文字を倒して斜めにする技術』
2. 『字の並びを斜めにする技術』
の2通りがありますが、どちらも効果的に使ってみましょう。
文字の倒し方による見え方の違い



同じ “Tanaka” というサインを、水平・文字だけ斜め・文字も構図も斜め、の3パターンで紹介しています。
水平よりも文字や構図を斜めにしたほうが、よりかっこいいサインらしく見えるのではないでしょうか。
ただし構図を斜め(一番右のパターン)にするとクレジットカードのサイン欄をはみ出してしまうため、その場合は文字だけ斜め(真ん中のパターン)にして書くといいですね。
左利きの場合

左利きの人は上の例のように文字が左に倒れるようにすると書きやすいのではないでしょうか(いわゆる押し書き)。
あまり見慣れないかもしれませんが、サインの形に決まりはないのでもちろんこれでも大丈夫です。
ただし、左利きの人は書き方のクセが人によって異なります。
腕を抱え込むようにして書いたり、紙を回転させて書くなどタイプが色々ありますので、必ずしも正解は1つだけではないことを覚えておきましょう。
左上がり(右下がり)はおすすめしない(個人差あり)

左上がりのサイン(右下がり)のデザインは人によって好みが分かれます。
ゲン担ぎのようなものかもしれませんが、右下がりだとなんとなくネガティブな印象を与えると感じる人もいるでしょう。
ただしこれも書き方次第では有効なデザインです。
上の例は左から右にかけて書いたものですが、例えば左利きの人が右下から書き始めて左上に突き抜ける筆順を採用すれば、本人にとっては書きやすくいて勢いのあるかっこいいサインに仕上がるかもしれません。
大胆な線を使うサインはかっこいい
サインの中に斜めに走る大胆な線や横一本線があると非常にかっこいい印象を与えることができます。
自分の名前をよく観察し、斜め線・横線を採用することを考えてみましょう。
斜め線の例



上のサインはいずれも斜め線を強調したサンプルです。
字体が右上がりになっているのでその影響もありますが、軸となっているのは斜めに横断する1本線です。
斜めの線の場合は全体のバランスが取りづらいため、基本的に最初にズバッと斜め線を入れ、その線に沿って残りの文字を書くことをおすすめします。
Kの上側の線を長くしたり、Aの横線を斜めに伸ばす、Mの書き始めを右上から大きく持ってくるなど斜め線を表現する方法を取り入れてみましょう。
サインが斜めになるとクレジットカード裏面のサイン欄に収まらなくなる恐れがあります。その場合は枠内に収まるようサインを少し斜めに倒して書いてみましょう。


カード裏面にサインを書くのは基本的に一度きりなので最初だけ枠を意識し、それ以降お店でサインを求められた際には大胆な斜め線のサインを使えばいいのです。
横線の例



上のサインは横線を強調したデザイン例です。
いずれも横線の筆順を最後に持ってきていますので、力強い横線でリズムよく締めることができます。
名前の文字に横長に伸ばせそうな線を見つけるところから始めてみましょう。
A、F、H、K、Tはわかりやすい横線がありますし、漢字サインの場合でも文字に共通する線を見つけることで一本線でつなぐことが可能です。(→詳しくは漢字サインの作り方をご参照ください)
全体を囲う線の例

文字の一部を伸ばしたり大げさに強調して全体を囲んでみると印象が大きく変わります。
これも横線と同じで、書くリズムを生み出すテクニックとしても使えます。
もし一画目に囲い線を引く場合、その枠のサイズを目安にしてサインの大きさを決めることができますので、初心者の方にとってもバランスが取りやすくなるメリットがありますね。
止め・はね・払いを強調する例

漢字サインを作る時、止めやはね、払いの線を大胆に引いてみるといいかもしれません。
少し強調するぐらいでは目立たないので、思い切ってサイン全体を横断するような大胆な伸ばし方がおすすめです。
全ての漢字に適用すると見た目がゴチャゴチャしてしまう恐れがありますので、一箇所ずつ試してみましょう。
文字の一部を強調するテクニックの応用にあたりますね。
書き順を変化させたサインはかっこいい
サインには決まった筆順はなく、先頭から書かなければいけないというルールもありません。
パッと目を引くデザインは意外性から生まれることもありますので、常識を打ち破った書き順を意識してみるといいでしょう。
(必ず筆順を無視しましょう、というものではありません。あくまでもテクニックの1つとしてお考えください)
文字の書き順を無視する

文字同士の繋がりを考え、正しい書き順を無視して作成したサインの例です。
このテクニックは複雑な字が多いほど効果的です。
途中の文字から書く

左から順に文字を書かなければいけないということもありませんので、常識を破って途中の字から書き始めてみましょう。

縦書きサインにも使えるテクニックですね。
ただし、サインはあくまでも繋がりと書きやすさが大切なので、あまり奇抜すぎる書き順はおすすめしません。
2文字目、3文字目、1文字目、4文字目のように行ったり来たりを繰り返すのは複雑になりすぎたり、バランスが難しくなりがちです。
あくまでも左から右(上から下)の基本形を残しつつ、一部だけ順番を変えるのがいいですね。
余白を意識したサインはかっこいい
デザインは余白を意識すると印象が大きく変わります。
ゆったりした線を使ったり、線を曲げる、一箇所に集中させるなどして余白をつくります。
線を交差する

文字の線を交差させて余白を作ってみましょう。
上のサインは里の横線と美の縦線を交差させて余白を作りました。
文字の一部を強調するテクニックの応用編といえるでしょう。
囲いの位置をずらす

全体を大きく囲む線を取り入れる場合、囲む位置を少しずらして余白を出してみましょう。
線を曲げる

横一本の大胆な線もかっこいいのですが、その両端を同じ方向に曲げて余白を生み出すテクニックもあります。
何もなかった空間に余白を感じさせることができます。
密を意識する

線を一箇所に集中させて密な構造にすることにより、余白を作ります。
可読性は低下しますが、余白による効果で高級感を感じますね。
枠を意識したサインはかっこいい
パッと見てバランスがいいと思わせるサインは、ある特定の枠の形を意識して作られることが多いです。
上で紹介したように、私のサインも四角形に収まる形をしていますね。

枠に収まったサインは見る人に安定感を与えたり美しさや誠実さを感じさせる効果が期待できます。
ただし、枠を意識するのはデザインの微調整に入ってからがおすすめで、最初から枠に収めようとして書かないほうがいいでしょう。
広い紙面を利用して思うままに書いてみることがサイン作りには適していて、その過程で生まれる線の交差や傾きが印象深いデザインに繋がることもあるのです。
枠の形あれこれ
枠は四角形だけではありません。
台形(安定感)、三角形(洗練)、正方形(まじめ)、ひし形(バランス感覚)、いろいろ試してみましょう。



『上田次郎』という名前1つとってみても、枠を意識して作ると様々なパターンで表現することができます。
どの形が正解・不正解ということはありません。見た目の印象と好み、書きやすさなどで選ぶといいでしょう。
人によっては文字のサイズがバラバラなのは嫌だと感じるかもしれませんね。
ただし、逆三角形を用いる時は注意が必要かもしれません。
逆三角形は鋭く尖ったナイフや怒った人の顔など危険なものを連想させます。
そのためデザイン的にはあまり好まれない傾向がありますが、捉え方を変えると注意を引きやすい形(相手に関心を持たれやすい形)であるとも考えることができます。
どういう印象で自分を見てもらいたいか考えた上で枠に収まるよう微調整してかっこいいサインを作ってみましょう。
素早く書けるサインはかっこいい
時間をかけずササッと書くことができるサインはリズミカルなテンポが生まれ、見ていて気持ちがよく、スタイリッシュな印象を与えます(一概に言えるわけではありませんが)。
目安としては2秒〜3秒で書き終えられるデザインを目指すといいですね。
相手を待たせないメリットもありますし、サインを使い慣れた人というプラスアルファの印象を与えることにも繋がります。
基本的にローマ字サインは短い時間で書けるのに対し、漢字サインは長くかかりがちです。
もちろん漢字のフルネームサインを2秒〜3秒で書くデザインに仕上げることも可能ですが、往々にして可読性が低下します。
スピードを取るか可読性を取るかは、サインの用途によって変わってきます。
どちらも捨てがたい場合は2種類のサインを作ることをおすすめします。
素早く書くデザインのサイン、時間がかかったとしても判読性の高いサイン、これら2つを持っておけば用途に合わせて使い分けることができます。
事実、サインを日常的に使う海外では契約書など重要な場面で使うサインと日常使いの簡素なサインを使い分ける方が多いです。
もちろんこれにはセキュリティの対策もあり、重要度の高いサインを他人に悪用されづらくする目的もあります。
同じ形を繰り返すサインはかっこいい

同じ形を繰り返すサインは、印象的・シンプルかつかっこいいデザインに仕上がりやすい傾向があります。
上のサインは作家が本に書くサインをイメージしたデザインで、何度も連続する波線でほとんど構成し、i の点とHの横線を添えるシンプルな構成で作成しました。
書く時もペンをギザギザと動かすだけでいいので書きやすく、見た目のインパクトも強いのが特徴です。
ドナルド・トランプ元アメリカ大統領のサインも非常に特徴的な形で知られていますね。

上下にギザギザと繰り返すインパクト大のデザインです。
ご署名ネットをご利用いただくお客様でも、このサインに似た雰囲気で作って欲しいという声をたまにいただきます。
書きやすさと覚えやすさを考えると、こういう形もおすすめかもしれませんね。
単に繰り返せばいいというものではありません
同じ形を繰り返してサインを作るといっても、落書きのようなデザインはおすすめできません。次のサインを御覧ください。


これはバラク・オバマ元アメリカ大統領時代の財務長官ジェイコブ・J・ルー氏のサインです。
ドル紙幣には財務長官のサインがプリントされるのですが、オバマ元大統領はルー長官の落書きのようなサイン(左)が紙幣に載るとアメリカの品位を損なうとして、もう少し読めるデザインに変更するよう話があったんだとか。
修正されたのが右側のサインで、ずいぶん格好良くなりましたね。
同じ形を繰り返すサインはかっこいいと紹介はしたものの、それが単なるなぐり書きになってしまっては逆効果になることもあります。
サインは意外と多くの人の目にさらされるものです。
サイン1つであなたの人となりが判断されることも考えた上で、デザイン性の高いサインを作ってみてください。
文字を重ねてマークや記号を表現するサインはかっこいい
サインの文字同士をバランスよく重ねて表現することで、ハートや音符などを表現する上級テクニックがあります。

これはLIL LEAGUEさん6名のサインをご署名ネットがかっこよくアレンジするというTV番組で、難波碧空さんのサインを作った時のものです。
“Sora” という英語サインを作成し、先頭のSと最後のaの線をバランスよく重ねて表現することで、ハートマークを表してみました。
非常に女性人気の高いグループさんなので、ファンの方々の受けも非常にいいようです。
なかなかビジネス用途ではハートマークは難しいかもしれません。
しかしハートにこだわらず、シンプルな丸や四角をデザインの中で表現すると、オリジナリティの高いかっこいいサインに仕上がってくると思います。
使いたいマークを先に決めておこう
ハートや音符など使いたいマークを先に考えておき、ご自身の名前の崩し方によってデザインに取り込む方法を考えてみるといいでしょう。
線の偶然の交差でマークらしく見えるようになることはありますが、先に具体的なイメージを持っておくほうが仕上げやすくなるでしょう。
書く速度を上げたサインはかっこいい
サインを書く時の速度(スピード)もかっこいいサインを書く重要なポイントです。
同じサインでも、ゆっくり書くものと素早く書くものは仕上がりの印象が大きく変わります。これは特にサインにまだ慣れていない人が陥りがちな例といえます。
上の動画は書く速度を比較したものですが、仕上がりの印象の違いは一目瞭然ですね。
丁寧に書こうとするほど線がぶれて弱々しい印象になってしまいます。
素早く書くサインは線が力強くバランスが保たれていて、安定感を感じさせます。
なかなか上手にサインのバランスが取れない人は書く速度が十分に足りていない可能性がありますので、思い切って大胆な書き方で練習してみるといいでしょう。
詳しくは後述しますが、サインを書く速度が早い人はそれだけでサインに慣れた人の印象を周りに与えます。形が少々崩れてしまっても、あなたの在り方でかっこよさをアピールすることができるのです。
あなた自身の立ち居振る舞いもかっこいいサインの要素の1つ
かっこいいサインとは決してデザインだけを指すものではありません。サインを書くあなた自身の様子も大きく影響しています。
具体例を挙げましょう。
例えばあなたがサインを書かなければいけないシーンになり、周りにはその様子を見ている数人の人(店員さん、同僚、ファンなど)がいます。
ペンを手に取っていざサインを書こうとすると、あなたはおもむろにサインのお手本を取り出して同じ形になるよう慎重に、でも自信なさげにサインを書いているではありませんか!
果たしてこの様子を見た周りの人はあなたにどういう印象を持つでしょうか?かっこ悪い?幻滅?頼りない人?大したことない人?少なくともプラスの印象は期待できないでしょう。
どれだけデザインが良いサインでも、あなたがサインを書く時の立ち居振る舞い1つで周りの人に与える印象は大きく変わってしまいます。
外国人や芸能人、アイドルやスポーツ選手がサインを書く様子を思い出してみてください。みなさん迷うことなくスラスラとペンを走らせて自信を持ってサインを書いています。
これです、この挙動が非常に大切なのです。
いわば、サインを自分ものとして自信を持って使いこなすその様こそ、かっこいいサイン(かっこいいあなた自信)と周りから評価を受ける重要な要素なのです。
では自信を持ってサインを使いこなすためにはどうするべきか?
答えは簡単。繰り返しサインを書いて練習して手になじませる、練習あるのみなのです。
外国人も芸能人もアイドルもスポーツ選手も最初は誰もサインは不慣れです。
それでも繰り返し書いて書いてひたすら練習してようやく自分のサインとして使いこなせるようになっているのです。これには例外はありませんし、近道も存在しません。
納得のいくデザインが出来上がったら何度も書いて練習しましょう。
途中でサインの形が変わってくることもありますが、それはデザインが洗練されている証として捉えておきましょう。
使用するペンの太さもかっこいいサイン作りにとって重要
せっかくかっこいいデザインが仕上がっても、使用するペンの太さによって与える印象が大きく変わってきます。
身近に多くある0.5ミリ、またはそれ以下のペンは線が細く、サインが貧相に見えてしまうのです。

書類向けのサインと色紙や書籍向けのサインとでは使用するペンが異なるので、次のように覚えておくといいでしょう。
- 書類向け→1.0ミリ以上のペン
- 色紙や書籍向け→マッキーなど(太・細が選べるとなおよし)
万年筆を使うとインクのかすれで非常に味のあるサインに仕上がりますが、万年筆は好みが分かれるペンですので無理に使う必要はないでしょう。
崩し方の基礎基本をもう一度学んでみましょう
ここで紹介したテクニックはいわば上級編・応用編にあたります。
サインの崩し方の基礎基本は別にあり、それらができて初めて上級・応用テクニックが活きてくるため、こちらの『サインの崩し方基礎・基本』でもう一度勉強してみましょう。
基礎基本だからといってあなどることなかれ。
これまで数多くのサインを作成してきた私も、基礎に戻るとひらめきを得られることがよくあるのです。
かっこいい漢字サインを作るには?
漢字サインをかっこよく書くためには英語とは異なる考え方をする必要があります。
詳しくは『漢字サインの作り方・書き方・崩し方のコツを現役プロが紹介します』の記事で具体的なテクニックとともに紹介していますので、併せて御覧ください。
ご署名ネットにお任せを
ご自身でサインを考えるのが難しい時は、お気軽にご署名ネットにお任せください。
これまで何千・何万というサインを作ってきた中で培ってきた知識と経験をもとに、たくさんのデザイン案をお送りすることが可能です。
想像もしなかったような奇抜なデザインから、誰がみてもスタイリッシュにクールに感じるデザインまで、幅広く作成いたします。
理想のかっこいいサイン作り、ぜひご署名ネットにお任せを!
サインを電子化して便利に使おう
心をこめて作ったサインはぜひ電子化して様々なシーンで役立ててみましょう。
手書きサインを電子化する2つの方法や、電子化したサインが活躍する具体的なシーンはこちらの記事で紹介しています。
YouTubeでもかっこいいサインの作り方を紹介中
ご署名ネットのYouTubeでは動画でわかりやすくかっこいいサインの書き方を紹介しています。

▶▶アイドルや芸能人のようなかわいいサインの作り方(YouTube)
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ご署名ネット代表 兼 デザイナー
守屋 祐輔

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書き方コンテンツ一覧
テクニック・考え方・コラム編
- 【初心者向け】サインの崩し方の基本
- サインと署名の違い
- サインの使い道と用途を紹介します
- アルファベットを崩す時のコツ
- 英語サインの名前の省略の仕方
- サインを解読する5つのテクニック
- サインを作る具体的なアイデアを紹介します
- ボールペンの太さは1.0〜1.2mmがおすすめ
- 英語契約書のサインのルール
用途別編
- かっこいいサイン | かわいいサイン | クレジットカード向けサイン | 漢字サイン | 筆記体のようなサイン | イニシャルサイン | シンプルなサイン | 芸能人・有名人みたいな色紙向け | プロ野球選手向け | 社長・経営者・専務・部長向け | 電子サイン | スケッチや絵画向けサイン | ウォーターマーク・コピーライト向けサイン
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創作サイン
11 件のコメント
たいへん参考になりました! 自分も直ぐに作りたい。
ご参考になったようでよかったです!サンプルをたくさん紹介していますので理想の形で練習してみてください。
分からん
イチからすべて自分で考えると難易度が上がるため、外国人や芸能人のサインを見てかっこいい・理想的と感じるデザインを参考にしてみるのもいいかもしれません。完全に真似するのはダメでも、デザインの一部を取り込んで自分の形に仕上げると使いやすくて見た目のいいサインに仕上がりそうです。
うーむ。
「たいが」の書き方教えて下さい。
わかりづらい説明があったかもしれません。詳しくお聞きになりたい箇所がございましたらお問い合わせください。
仕上がりご希望のイメージで作り方は変わりますが
例えば横書きで『た』の横線を右に長く伸ばして『が』の一画目につなげます。
横線の下に残りの文字を書くスタイリッシュな印象が思い浮かびました。
大変参考になりました、ありがとうございます
terukiならどんな書き方がありますか?
お問い合わせありがとうございます。
tとkの縦線を下に長く取り、それ以外の文字は崩しを強めに取り入れて流れるようなデザインで仕上げるイメージが浮かびました。