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日本人の名前を英語表記する時にはいくつか決まりがあります。その流れに従って正しいサインを書くようにしましょう。
まずは結論から
先に結論を紹介します。日本語名が『署名 太郎』の場合は次のようになります。
◯:Syomei Taro
◯:Syomei T.
◯:S. T.
◯:Taro Syomei
◯:T. Syomei
◯:T. S.
どちらでも正解なの?名→名字(太郎 署名)のように逆にするのが一般的じゃないの?と疑問に思われるでしょう。
たしかにこの考え方は2019年頃まで日本国内・世界でも広く知られた表記として定着していました。ところが政府は、公文書などで日本人の名前をローマ字で書く際、2020年1月1日から名字→名(署名 太郎)の順とすることを正式に決定したのです。
文部科学省の国語審議会によると、日本人の名前をローマ字表記するときに名→名字の順にする慣習は、明治の欧化主義の時代に欧米の人名の形式に合わせて定着し、現在でも広く浸透しているといいます。
グローバル社会の進展に伴い、言語や文化の多様性を人類全体が意識し、生かしていくことがますます重要となっていて、日本人の名前のローマ字表記については名字→名という日本の伝統に即した表記としていくことが大切という名目で閣議決定されたものです(参考:文化庁国語科発表の資料)。
小学校・中学校ではすでに名前の表記は名字→名の順で書くものとして教えているところが多く、これからの日本では名字→名がどんどん広まってくることでしょう。
直ちに対応する必要はない
しかしながら、萩生田光一文部科学相は「直ちに企業や一般社会に影響を与えようとは考えていない。各業界はそれぞれの判断でやってもらえればよい」と発言。
明治から現代まで、約150年間もの長きにわたって常識とされてきたことを覆すのは相当時間がかかることでしょう。すでに世界では日本人の名前は名→名字(逆の表記)が知れ渡っているため、その認識を変えるのも大変です。
かたや国際学会において日本人の名前は昔から名字→名の順でローマ字表記されていたり、シーンによって表記方法はバラバラです。
つまり、混乱が起きるようなら今まで通り名→名字で書けばいいし、そうでないなら正式に名字→名を使って欲しいけど、そこの判断はお任せしますね、という柔軟性の高いものなんですね。
サインも今まで通りでいい
名字→名が閣議決定されたので既存のサインも名字→名で作り変えなくては、と焦る心配はありません。これまでのサインはそのまま使えばいいですし、新しくサインを作る場合でも名→名字のままでいいとご署名ネットでは考えています。
そもそも大前提としてサインは身分証明のために使われるもので、それを変更しようとするとかなり手間がかかりますし、既存サインはそのまま使うべきです。
さらに、今回の閣議決定はあくまで政府が発行する公文書での名前表記に関するもので、現行のパスポートや書類、契約書などに影響が及ぶものではありません。世間一般を見ても名→名字のローマ字表記が9割以上を占めている状況で、おそらく2020年1月に閣議決定されたことを把握している人もわずかだと思います。
であれば、名→名字に慣れている人は新しくサインを作る場合でもこれまで通り名→名字にしたほうが違和感もなく、周囲を混乱させることもないでしょう。
名字→名のサインを別途もっておくのは全く問題ありませんが、使用頻度が少ないサインをわざわざ作るのも実用的ではありませんよね。
ただし、あなたが所属する企業や団体の方針によっては名字→名を採用する場合もあるかもしれません。不安な場合は事前に確認しておくことをおすすめします。
フルネームのサインを求められるシーンもある
正式な契約書や重要書類は名前を省略できず、フルネームサインを求められることがありますので、フルネームサインと省略したサインの2種類をあらかじめ用意して使い分けるといいですね。
また、サインは必ずしも読めるデザインとは限らないため、名前を正しく判別するためにサインのすぐそばに別途活字体でフルネームを要求されることも珍しくありません。
これらはサインを書く時に相手から指定されることがほとんどなので、わからない時は確認した上で筆記するようにすればトラブルを避けられます。
名前を省略して書く時の形
一方、フルネームに使う文字が長く、いつもサインする時に困っているという人もいるはず。
そういう人は名(first name)を先頭のアルファベット1字に省略し、続けて名字(last name)を書くスタイルがおすすめ。
例)署名太郎さんの場合→T. Syomei
こうすることで名前の横幅が短くなって書きやすくなるだけでなく、全体的にすっきりしたシンプルなデザインのサインに仕上がりますね。
ピリオドを忘れないで
名前を省略した時はピリオドを打つのを忘れないようにしましょう。
(T.=Tの後ろに文字を省略していますよ、という意味)
この形は避けよう
名字(last name)を省略するのはできるだけ避けたほうが無難です。
避けたほうが良い例)署名太郎さんの場合→Taro S.
英語圏でも名前を省略して表記することがありますが、名字(last name)を省略して記載することはなく、基本的に名(first name)を省略するのが一般的なのです。
筆記体風の英語サインを書く方法
『筆記体風の英語サインの書き方』のページでは、まるで筆記体を崩してサインのように見せるテクニックやコツをたくさん紹介していますので、そちらを参考にまずは自分で作ってみましょう。
繋がりを意識したデザインはプロにお任せ
英語の省略がわかったところで、それをデザインとして姓・名をキレイに繋げて書くのはプロの技術が必須です。
見た目・書きやすさ・与える印象などあらゆる点を考慮した世界に1つだけのあなただけのサイン、ぜひプロにお任せください。
イニシャルサインのことも考えよう
イニシャルサインとは名と名字の最初のアルファベットだけ書く省略したサインのことです。
例)署名太郎さんの場合:T. S.
これは主に英文契約書においてサイン当事者が契約書の全ページにイニシャルサインを書いて改変を防止する目的で使われたり、日常の何気ない場面(荷物受け取りなど)、会社の資料閲覧チェックなどで使います。
この場合でも『名→名字』の順番はきっちり守りましょう。
イニシャルですのであなたの名前を知っている人でない限り判読はできませんが、それでもルールに則って書かないと後で面倒なことになっても大変です。
イニシャルサインを上手に書くコツもご署名ネットで紹介していますので、併せて御覧ください。
書き方コンテンツ一覧
テクニック・考え方・コラム編
- 【初心者向け】サインの崩し方の基本
- サインと署名の違い
- サインの使い道と用途を紹介します
- アルファベットを崩す時のコツ
- 縦書きサインの作り方のコツ
- 英語サインの名前の省略の仕方
- サインを解読する5つのテクニック
- サインを作る具体的なアイデアを紹介します
- ボールペンの太さは1.0〜1.2mmがおすすめ
- 英語契約書のサインのルール
- サインの歴史と日本の印鑑
用途別編
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創作サイン