読めないサインの効力は?問題なし?外国人やクレジットカードのケースなど紹介

守屋祐輔

守屋祐輔

ご署名ネットの代表兼デザイナー兼サイン専門家。個人・業界人問わず多種多様なサイン作成を請け負い、東京2020メダリストのサインも手掛けた。TV、ラジオ、雑誌など幅広く出演。きめ細やかな対応と素早いレスポンスが可能。

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ぐしゃぐしゃとなぐり書きしたようなサイン。全く読めず、誰が書いた不明だとしてもちゃんと効力があります。

サインは必ずしも読める必要はありません。落書きみたいなデザインでも立派なサインとして成立しています。

サインに慣れていない日本人が直面する、サインが読める・読めない問題。

ここでは海外におけるサインの在り方からや身の回りでのサインの使われ方をもとに、読めるサインと読めないサイン両方の面から見ていきたいと思います。

海外におけるサインの在り方

日本以外の国は基本的にサイン文化の国ばかり。日常生活における身分証明において多くの場面でサインが活躍しています。

アルファベットをどう崩したらこんなグシャグシャな形になるんだ?と不思議になるほど彼らは乱雑なサインを書きます。

しかし、それでも生活は成り立っています。契約や申込みも問題なく成立していますし、誰も問題視することがありません。

サイン文化が構成されているからと言ってしまえばそれまでなのですが、もう少し詳細に紐解いてみたいと思います。

本人の自筆が重要視される

サインはそもそも可読性が求められるものではありません。本人が自筆で記すことが大切で、それが記号でも図形でも本人確認とみなされています。

再現性が大切

サインは繰り返し同じ形のものを書ける再現性が求められます。

わずかな筆跡の揺れは許容されますが、大幅に形が違っていたりすると書き直しを言われることもあります。

サインの公証人が存在する

住宅の購入や相続など非常に重要な契約の場合、サインの公証人が立ち会い、本人のサインと厳密に照らし合わせて本人確認をすることがあります。

筆跡鑑定も用いられる

本人の筆跡かどうか、主に事件性がある場合には筆跡鑑定が用いられることがあります。

一部ではサインの可読性が求められることがある

サイン文化の国でも、厳密に本人確認が求められるシーン(例えば銀行口座開設など)では可読性のある丁寧なサインが求められることもあるようです。

ITの台頭

デジタル化が進む昨今、国や地域によっては自筆サインの登場が極端に少なくなっているところもあります。クレジットカードもタッチ決済が増え、家や車の購入でもオンラインサイン、またはサインレスということも少なくなく、サイン文化も変化し続けています。

サインと署名の混同

上で解説したように、本来サインは本人の自筆が重要視されるものであって、可読性が求められるものではありません。

ではどうして『サインは読める字で書くべき』という論争が起こるかというと、それはサインと署名を混同してしまっているからなのです。

“サイン”はたしかに”署名”と日本語訳されますが、サインと署名ではそもそも本質的に求められているものが異なっていることは、あまり知られていません。

簡単に結論だけ紹介しておくと、次のように分けることができます。

サイン:可読性は必要なし。読めなくていい。
署名:可読性が必要。トラブル回避のため読めたほうがいい。

多くの人はサインと署名を混同して捉えてしまっているため、読める・読めないで疑問が生じてしまうわけなのです。

このあたり、サインと署名の違いについてはこちらのページでもっと詳しく紹介していますので、あわせて御覧ください。

サインと署名の違い。署名は読める楷書であるべきか?崩し字は使えるのか?

サインが読める・読めない問題の良し悪し

一言でサインといっても、サインを書く場所や用途によって可読性の有り無しが与える影響が変わります。ここではいくつかのケースで考えてみたいと思います。

1. 書類や契約書の場合

読めるサイン ▶ 誰が書いたか一目瞭然。可もなく不可もなく、いわゆる無難な選択。
読めないサイン ▶ 記入者が不明。ただし周囲に圧倒的に出来る人間をアピールできる。

読めるサインの書類や契約書はTHE王道といったところでしょうか。最もポピュラーで無難、まず間違いのない失敗しない組み合わせです。誰が見せても「契約書ですね」と納得されるでしょう。

反面、面白みに欠けるといえます。

書類はともかく契約書で自己アピールというのはおかしな話ですが、社を代表する者としてオシャレなサインを使いこなす様子は、周りにスマートな自分を印象づけることにもつながります。

読めるサイン
読めないサイン

実はサインを求められる契約書の場合、サイン欄にあらかじめ名前がプリントされていることがほとんどです。

そのためサインが読めなくともプリントネームを見れば誰が書いたかわかるため、サインの可読性は問題にはならないのです。

2. パスポートの場合

読めるサイン ▶ 本人確認しやすい。枠に収まりやすい。実用性が高く無難。
読めないサイン ▶ 海外慣れしている雰囲気。枠からはみ出る可能性あり。

パスポートのサインは旅先で本人確認で使われることがあります。あまり奇抜なデザインのサインでは再現性のあるサインが書けず、場合によっては店先で本人確認が取れず揉める可能性は捨てきれません。

また、パスポートのサインは申請用紙の決められた枠内に必ず収める必要があるため、読めないサイン(凝ったデザインのサイン)は枠をはみ出る恐れもあります。

一度書くと長く残るパスポートサインです。実用性を取るか、それともデザイン性を取るか。

慎重に考えたいですね。

サインは統一させると便利

パスポートでも日常使いでも1つの同じサインを使い回して統一しておくと万が一のトラブルも回避しやすいでしょう。

3. 色紙や作品の場合

読めるサイン ▶ 誰のサインかわかりやすいので親切。派手さがないため差別化できない。
読めないサイン ▶ 見た目のインパクト大。効果抜群。しかし読めないので「誰のサイン?」と聞かれてしまう。

芸能人やスポーツ選手、作家さんなど自分を表現することを生業とする人は、いかにも業界人!といった派手なサインを好む傾向があります。

これは要するに差別化が大きな目的で、周りに埋もれてしまっては意味がないため個性をアピールするデザインが好まれているのです。

芸能人風なサイン例

一方、こういうサインはパッと見て誰が書いたのか判読が非常に困難です。

サインを受け取るファンが求めているもの、それはあなたがその文字を書いた事実と証拠であって、必ずしも奇抜なデザインが欲しいわけではないことを理解しておく必要があります。

そう考えると、サイン色紙に楷書体で名前を書くサインもアリという意見も出てきますよね。

もちろんサインは効果的なブランディングのツールの一種と考えることもできます。

アイドルならかわいいふんわりしたデザイン、格闘家は力強く勢いが感じられるデザイン、ミュージシャンはローマ字でスタイリッシュに、といったイメージに沿ったサインを効果的に使うことも重要です。

例えば名前が売れるまではデザイン重視のサインを使い、ある時期を境にサインを変えて楷書体で書くといった使い分けも戦略としていいかもしれませんね。

状況に合わせて使い分けたい

大前提として、サインは必ずしも可読性を求められるものではありません。

それを頭に入れた上、あえて読めるサインを書くのか読めないサインにするのか、状況にあわせて柔軟に対応したいですね。

落書きのようなサインの例

こちらのサインを御覧ください。

アメリカ財務長官のサイン

まるで子どもの落書きのようなぐるぐるした図形ですが、実はこれ、元アメリカ財務長官ジェイコブ・ルー氏のサインです。全く読むことができませんが、立派なサインなんですね。

財務長官のサインはドル紙幣にプリントされるのですが、オバマ元大統領は「アメリカの品位にそぐわない」との理由で、ルー氏に別のサインをするよう指示したんだとか。

そして結局このサインに落ち着きました。

アメリカ財務長官のサイン

読めないからダメとは言われてないのがポイント

ジェイコブ・ルーさんのケースでは、オバマ元大統領は品位にそぐわないことを理由にデザイン変更を指示しましたが、決して読めないことに言及したわけではないことに注目です。

それもそうです。先に紹介したように、サインには元々可読性は求められていないのです。

繰り返し同じ形が書ければそれでよく、読めないことが問題になるのはまずありません。

動画で紹介

読めるサインと読めないサインについて、YouTubeで動画紹介していますので、御覧ください。

読めないサインはプロにお任せください

読めないサインなら適当に作ってもいいだろう、というのはちょっと待って下さい。

落書きのようなデザインはあなたの品位を損いかねませんし、もし部下を持つ人は会社を代表してサインするような人の場合、見た目が良くないサインはあなた自身や社の評価を低下させるかもしれません。

ご署名ネットでは数多くの作成実績がありますので、程よく崩したバランスのサインを作成いたします。ぜひプロにお任せください。

自分が好きなデザインを持とう

読めるサイン、読めないサインは気にする必要はありません。

「なんとなく好きなデザイン」とか「雰囲気が気にいった」など、感性に従って選ぶのが一番です。

思い切って大胆なサインを作ってもいいし、すごくシンプルなデザインにしても構いません。

色々と試行錯誤してみましょう。

ご署名ネット代表 兼 デザイナー
守屋 祐輔

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